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日本から、本屋が減っています。

私たち、取次会社を含めた従来の出版インフラが終わりつつあるということです。

そして本屋が無くなったら、人は悲しみます。なぜでしょうか。

それはただのノスタルジーではないような気がしています。

本屋とは、それ自体が人の心を動かす、不思議な存在なのかもしれません。

私たちは本にかかわる仕事をしていながら、本屋という存在について、

まだ何もわかっていないようです。

 

本屋が減っている。しかし、はたしてあの本屋だけが、本屋なのでしょうか。

『もういちど、本屋へようこそ』(PHP研究所)という本から一文を引用します。

 ” 店舗を構える書店だけが本屋なのではなく、本の周りにいる一人ひとりが、

   本に関わる全ての人を「本屋」なのだと仮定した場合、

     もしかしたらまだやれることがたくさんあり、

   本の未来の数だけ、「本屋」の未来があるのかもしれない "

そう思います。本を売る人、場所だけが本屋ではありません。

図書館や図書室で働く人、さらには、本について伝える人、

本を広める人も実は本屋なのです。

もちろん、少しだけ本を置いている、さまざまなお店だってそうです。

ここで、再定義したうえで訂正します。

本屋は減る一方ではありません。むしろ、ある場所では増え続けています。

2017年、私たちは本の卸売サービス、Foyer【ホワイエ】をリリースしました。

1冊からでも本を卸売りする、まったく新しい出版流通です。

それからしばらく経ち、新しい本の「居場所」が、全国に数多く生まれています。

リリースした当初は想像もしていなかった業種のお取引先もできました。

世界はすさまじいスピードで変遷しています。

疫病。紛争。経済的不安。AI。多様性。そして、サスティナビリティ。

こんな世界だからこそ人は、続いていく、という事実に希望を見出します。

そこに一人の子どもが生まれたときのように。

変わりながらも、続いていく世界。

そこにいまはまだ、ずっとメディアの代表を担ってきた本が、

本屋が必要で、それをみんなは心のどこかで知っているのかもしれません。

だからこそ人は本屋に悲しみ、本屋になっていくのでしょう。

続いていくこの世界のほんのわずかな助力になるべく、

私たちはこれからも、すべてのお店の本の販売をサポートしていきます。

Foyer【ホワイエ】は、1冊からでも本を卸売りします。

ま、あなたも、本屋になりませんか。

                                               2024年2月

 
 
 
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